6月16日、富山市議会で配慮が必要なお子さんや親御さんへの支援について質問しました。

障がいのあるお子さんが利用できるサービスや情報の提供について
子育てはただでさえ大変ですが、病気や障がいのあるお子さんを育てているお母さんお父さんは、働きたくても働けなかったり、働いている時間帯以外は子どものケアを担うなど、医療的ケアが必要な場合は寝る時間もありません。ひとり親も比較的多く、少しでも負担を減らして欲しいと思っています。
障がいのあるお子さんが利用できる福祉サービスの仕組みは大変複雑で、具体的にどんな支援やサービスを受けられるのか、窓口はどこなのか、どう使えばいいのか、お母さんたちはSNSの先輩ママの口コミなどで、手探りで情報を得ているのが現状です。
身体障害者手帳などを受け取ったら、福祉や教育の情報、その窓口や利用方法などの情報が手に入ると思っていたが、すぐに使える情報は手に入らず、自分たちで調べるしかなかった、という声を聴いています。
また、初めて障がい児の親になったばかりの時、福祉の複雑な仕組みや用語を理解するのは難しく、富山市の子育てサイト「育さぽとやま」を見ても、障がいのある子どもに向けた支援はひと通り書かれてはいますが、就学までの具体的な流れは分かりません。
問1 障がいのある子どもの誕生以降利用できる、福祉、保育、教育などの一連の流れや、利用できるサービスの質と量、相談や申請の窓口が分かりにくいことについてどのように考え、今後どう対応していくのか伺います。
回答 こども家庭部長:本市では、障がいのある子どもが利用できる福祉サービスの内容、相談や申請の窓口については、一つに、障害福祉のしおりの設置や障害者団体等への配布。二つに、特別支援学校等での出前講座の実施。三つに、市ホームページでの相談事業所やサービス事業所の掲載などの周知に努めております。
富山市まちなかケアセンターに設置している子ども発達支援室では、障がいのある子どもの、乳幼児の時期からの相談に対応しており、子どもの成長・発達に応じた、年代ごとの相談ができる日を設ける他、お子さんと一緒に利用しやすい土曜日にも相談日を設けるなど、保護者の方が相談できる体制を整備しているところであります。
加えて、出産後に行う各種手続きや子育てに役立つ情報などをライフステージごとにまとめた「富山市子育て支援ガイドブック」を作成するとともに、本市独自の子育て支援ウェブサイト「育さぽとやま」において、障がいのある子どもへの支援を含む子育て支援について、一連の流れがわかるよう情報の発信に努めているところであります。
今後は「育さぽとやま」に障がいのある子どもの就学手続きに関する情報を掲載するなど、より一層、保護者へのわかりやすい情報提供に努めてまいりたいと考えております。
支援内容の情報共有と移行支援ファイルの活用について
障がいのあるお子さんには、乳幼児期から成人まで一貫した支援が必要であり、年齢や発達に応じて利用するサービスや学校が変わっても、支援内容の情報が引き継がれる必要があります。ところが、医療的ケアが必要な子どもや障がいのある子どもの保育や進学に際して、移行時に情報が共有されない、という問題があります。
就学相談など小学校入学の数ヶ月前から何度も繰り返される面談ごとに、子どもの既往歴や現在の通院状況や支援について、同じ話を何度もしなければならず、親の負担になっています。
進学など環境の変化があってもスムーズに支援が受けられるよう、富山県教育委員会が作った移行支援ファイル「にこにこファイル」があります。富山県と県教育委員会が現場に関わっている人たちに意見を聞いて作成したもので、保健、医療、福祉、教育と分野を超えて情報を共有できるように支援について詳しく記入することができます。
問2 就学時などの移行時に、何度も同じ話を聞かれるという保護者の負担をどうとらえているのか。また、その負担を軽減するために、「にこにこファイル」を富山市においても積極的に活用すべきと考えるが、富山市におけるにこにこファイル活用の方針を伺います。
回答 こども家庭部長:障がいのある子どもの就学に際して、小学校が事前に面談を行う場合には、プライバシーに十分配慮し、保護者の戸惑いや悩みを受け止めるとともに、入学後の教育環境や個別の支援について情報を提供したり、入学後の学校生活への具体的なイメージをもっていただくようにしております。
また、場合によっては、障がいの程度や、本人が抱える困難さ、これまで受けてきた支援について、学校が十分に把握することが、新しい環境で生活を送るための支援を検討する際の重要な情報となることから、複数回にわたり面談を重ねることもございます。
一方で、就学時においては、就学先の学校だけでなく、各種関係機関との相談も想定されることから、子どもの障がいに関して繰り返し聞かれることが、保護者の負担につながることも考えられます。
「にこにこファイル」の活用につきましては、内容を確認のうえ、子育て情報ウェブサイト「育さぽとやま」への掲載や、市教育委員会が年に12回実施している「さわやか相談会」での紹介等について、検討してまいりたいと考えております。
就学時健診における統一した対応と情報提供・選択肢の提示について
医療的ケアを要する障がい児や、基礎疾患があるお子さんは、定期的に主治医による診察を受けているにも関わらず、就学時健康診断への出席を居住地の学校から求められ大変な思いをした、という声も聞きました。
教育委員会に伺ったところ、家庭からの申し出があれば、健診の場所や方法の変更、受けない選択もできるということでしたが、学校からその選択肢は提示されず、就学時健診を受けなくてはならなかったと聞いています。
問3 教育委員会と学校現場の認識や対応が異なっていること、学校の裁量とはいえ、通院等の負担に加え就学時検診を求めることについては配慮が必要と考えられ、統一した対応が必要ではないでしょうか。就学時健診の前、就学相談の機会などに、就学時健診に対して、一人一人の特性に合った対応が可能であることの情報が提供されるべきではないかと思いますが、現状をどう受け止め、今後どのように取り組むのか、伺います。
回答 教育委員会事務局長:就学時健康診断は、義務教育諸学校への初めての進学にあたって、就学予定者の心身の状況を的確に把握し、保護者に保険上必要な治療の勧告や助言を行い、児童の適切な就学を図ることを目的としております。
就学時健康診断につきましては、就学予定者の全保護者に対して市教育委員会から健康診断通知書を送付するとともに、各小学校から日程等の案内文と、健康診断に関する事前アンケートを送付しておりますが、やむを得ない事情がある場合には、保護者から、市教育委員会や学校側が相談を受けております。
就学時健康診断の免除につきましては、保護者から相談を受けた学校が教育委員会に連絡し、子どもの状況に合わせて対応しているところであり、各学校が個別に判断している訳ではございませんので、ある程度、統一した対応がなされているのではないかと考えております。
しかしながら、ご指摘の通り、一人一人の特性に合った対応が可能であることは、保護者に送付する案内文等には記載されておらず、周知が不足していたものと認識をしております。今後の取り組みにつきましては、一人一人の特性に合った対応について相談できることを、案内文等に記載することなどを検討しております。就学時健康診断は、適切な就学を図る上でもできる限り受診していただくため、子どもの状況と保護者の思いに寄り添った対応に努めるよう各学校に指導していきたいと思っております。

特別支援学級への作業療法士の配置について
近年、発達障害の子どもが増え、通級や特別支援学級に通うお子さんが多くなっています。子どもたちの様々な特性に合わせ、個別の質の高い教育支援が必要ですが、支援学級への教員の配置は十分とは言えず、先生の手が届かない状況が生じており、対応に苦慮されているようです。専門性の面で不安があると感じるような先生の対応にストレスを感じている、というお子さんの声も聞きました。
特別支援学級の教員配置を手厚くすることも検討されるべきですが、教員が個別の支援や子どもに合わせた教育方法を試行錯誤しながら見つけていくのは労力を要し、多忙な中で研修等により専門性を高めるのも難しいと考えます。
教員の負担を軽減し、個別の支援や教育方法に関する見極めを行うプロが作業療法士です。岐阜県飛騨市では、学校と福祉の壁を超え、作業療法士が定期的に訪問し、子どもの躓きや生きづらさに寄り添う「学校作業療法室」をすべての小中学校に設置しました。
問4 作業療法士を積極的に配置し、特別支援学級への支援を手厚くするべきと考えますが、いかがでしょうか。
回答 教育委員会事務局長:作業療法士は、身体の運動機能や認知機能・精神面に困難のある人が、日常生活や社会生活を問題なく送れるように、リハビリテーションを通して支援する専門職のことであり、運動や言葉などの発達を促す訓練を行っております。
本市の小中学校におきましては、専門的な訓練を行う職員を配置しておりませんが、特別支援学級に在籍している子どもはもとより、通常の学級に在籍しており、発達の遅れや隔たりが見受けられる子どもへの支援についても、特別支援学校と連携し、専門性のある教員に相談することで、適切な助言を得ております。
加えて、市教育委員会の臨床心理士が、学校からの要請で、特別支援学級を訪問し、子どもの困難さを把握した上で、子どもの発達の特性と、教育的ニーズに沿った支援が提供できるよう努めているところでございます。
これまでも、学校・医療・福祉の連携のあり方について検討してきたところであり、今後も他都市の動向を注視しながら、作業療法士等の外部専門家の配置を含めた支援体制の構築について調査・研究をしてまいりたいと考えております。
特別支援学級の名前について
支援学級の名前は、花の名前など、ひらがなで表される固有名が多く、1年1組、2組、などとあらわされることの多い通常の学級と大きく違います。富山市の中学校においても、小学校とあまり変わらない名前です。
発達に特性のある子供たちを幼いもの、低いものと見ているのではないか…そのような先入観を抱かせるような名前のように感じる人もいます。発達特性や障がいについてインクルーシブ教育を目指すのであれば、名前の違いは差別であると感じる生徒や保護者もいます。
問5 これらの名前の違いを教育委員会としてどう考えておられるのでしょうか。
名前の性質を分けている意義について、それは有意義なのか、インクルージョンとしては不適切なのか、通常学級及び支援学級の子どもたちに、毎年一緒に考えてもらうことに教育的意義があるのではないかと考えます。子供の意見を聞く機会を設けてはいかがでしょうか。今後、どのように取り組むのか、見解を求めます。
回答 教育委員会事務局長:障がいの有無に関わらず、一人一人の教育的ニーズに応じて支援を行うことが、これまでにも増して重視されるようになりました。特別支援学級の名称につきましては、正式には「知的障害特別支援学級」「自閉症・情緒障害特別支援学級」といった障害種別を元にしたものとなっておりますが、市内の特別支援学級におきましては、直接的に障害種別や、特別支援といった言葉を使用するのではなく、通称を学級名として用いております。
特別支援学級には、一学級に複数学年の児童生徒が在籍していることが多いため、通常の学級と同様に、数字等による学級名をつけることがそぐわない場合もあります。市内の小中学校における特別支援学級には、植物名や地域の特性を由来とする学級名が多くあり、そこには各小中学校における児童生徒への成長への思いや期待が込められているものであると認識をいたしております。
学級名は各学校において決めるものであると認識しておりますが、学級名について、子どもの意見を聞いたり、由来や願いについて保護者懇談会で話題にするなど、児童生徒が学級名に愛着をもってもらえるような工夫について、市内の小中学校に情報を提供してまいります。