12月4日、富山市議会で富山市の国際展開事業の状況について質問しました。

富山市の国際展開事業の総合的評価について
COP30では、富山市のゼロカーボンに向けた取り組みや国際展開事業についても発表されました。富山市の環境施策や富山市内の企業が持つ技術を国際的に認知、展開されることは、開発途上国の経済成長や生活の質の向上につながります。本市では、日本企業や現地企業とともに、インドネシアや東南アジアの地域に国際展開事業を実施しています。
問1 過去に実施または現在進行中の国際展開事業について、現在どのような状況になっているのか、稼働状況や現地の暮らしへの影響、CO2削減効果などの総合的な評価についてご見解を伺います。
回答 環境部長:本市の国際展開事業につきましては、平成29年度のインドネシアのタバナン県における小水力発電設備を始め、これまで6件の案件で整備が導入されていました。タバナン県の小水力発電設備につきましては、世界遺産の棚田群の用水路に設置され、観光地である現地の街灯や、集会場の照明の電源として活用されておりました。この設備は現在故障により稼働を停止しておりますが、現地から引き続き支援の要請があり、市内企業による新しいビジネス創出の意向もあることから、環境省の都市間連携事業を通じて設備のリニューアルを検討してるところであります。次にマレーシアのジョホール州では、市内企業の自己資金により環境教育を目的としたマイクロ小水力発電設備が設置され、令和5年度まで稼働しておりました。現在は老朽化により撤去されておりますが、その間、多くの方々の環境教育に大きな役割を果たしたものと考えております。インドネシアのスマラン市におけるハイブリッドエンジンバスにつきましては、ディーゼルエンジンを天然ガスでも走行可能なエンジンに改造したもので、72台の公共バスに導入しました。この技術は通常のディーゼルバスと比較して、最大40%のCO2排出削減効果があり、バスの所有者であるスマラン市からは本事業後にさらに約100台を追加導入したとの報告を受けているほか、さらなる脱酸素化を図るため、来年度からEVバスを導入する予定であると伺っております。インドネシアのクルンクン県における揚水ポンプにつきましては、太陽光発電を活用した灌漑ポンプを設置し、水不足が起きている高台の水田に水を引くことにより、米の収量を拡大させ、地域住民の所得増加を目指すものでありました。この設備につきましては現在故障しておりますが、現地自治体から再稼働の要請があり、令和6年度に現地を確認して適宜助言を行っているところであります。チリのレンカ区における太陽光発電設備につきましては、2MWの太陽光パネルにより年間約1,000トンの CO2排出削減効果があり、先日市長が登壇したCOP30のイベントにおいてレンカ区長からも国際展開事業の大きな成果として紹介されたところであります。インドネシアのバドゥン県におけるコンポストプラントにつきましては、生ゴミなどの有機性廃棄物を堆肥化し、ゴミの減量化を図るもので、1日あたり最多50トンの生ごみを処理する設備であります。一昨年の設置以降、順調に運用されており、今後現地のゴミ問題の解決に大きく貢献するものと考えております。これらの設備は市内企業などが設置し、実際の運用を地元企業や住民が担うため、想定通りにいかないこともありますが、CO2の排出削減や廃棄物処理など、現地の環境問題の解決や環境意識の醸成に大きく貢献しているものであります。本市ではこのような経験を活かしながら、引き続き市内企業からのニーズ等を踏まえ、国際展開事業を進めてまいりたいと考えております。
国際展開事業が市内企業の海外展開や雇用機会の増加につながったか
広報とやまには「富山市内の企業の海外進出による事業の拡大は、雇用機会の増加や経済への波及効果が期待されます。」ともありました。気候変動対策と地域経済の活性化の両立が図られることは素晴らしいことだと思います。
問2 国際展開事業を通じて、本市の企業が持つ環境技術や、ノウハウの海外展開の拡大や雇用機会の増加につながったのか、伺います。
回答 環境部長:平成28年度にインドネシアのタバナン県における小水力発電設備の調査事業に参画した市内企業は、この連携をきっかけに現地法人を立ち上げ、現地の一般家庭46,000件分の電力を発電する6.2MWの水力発電所を建設・運営されております。さらには、現地で38名のインドネシア人を雇用されたと伺っております。また昨年10月にインドネシアのバドゥン県でコンポストプラントを設置した市内企業は、本市との国際展開事業による海外へのビジネス拡大を見据え、日本人技術者を2名、雇用されました。さらには設備導入後には複数の海外都市や国際機関などから多くの引き合いがあり、順調にいけば新たな技術の輸出につながると伺っているほか、市内にも同様の設備の設置を検討されていることから、今後の市内での事業展開や雇用創出を期待しいてるところであります。